伊東版 2019年02月15日
■小野市長「事業進展、合理的でない」
伊東市八幡野地区に大規模太陽光発電施設(メガソーラー)の建設を計画している事業者から申請のあった八幡野川の河川占用許可について、市は14日までに、許可しないことを決めた。不許可は13日付。小野達也市長が市役所で会見して、明らかにした。小野市長は「許可により、市が中止を求めている事業が進展することは合理的でない」と不許可の判断理由を説明した。
市によると、申請者は伊豆メガソーラーパーク合同会社。昨年11月19日に八幡野川に幅5メートルの橋を架けて進入路を新設する目的と、2月7日に架設沈砂池からの架設配水管設置と護岸保護のためのゴム製マット設置の目的で、それぞれ河川占用許可を申請した。
市は、事業者が規制条例に反して工事を進めていることなどを総合的に判断し、国の「河川法等における処分の審査基準」に示された「社会経済上やむを得ないと認められる」に当たらないことを根拠に、不許可にした。
市によると、確認できる限り河川占用許可を不許可にした事例はなかったという。佐野博之副市長は「橋を設置して重機を入れることは、本体工事につながると認識している。行政として大きな判断をした」と述べた。
2週間の標準処理期間を過ぎて慎重に審査を行ったことについて小野市長は「社会的な影響を勘案し、弁護士とも協議した」と説明した。事業者の代理人弁護士から12日に「違法不当な妨害工作には法的な措置を取る」との連絡が入ったという。
不許可処分について事業者の担当者は「伊東市は許可を出すと言っていたのに、裏切られた思い。今後も宅造法(宅地造成等規制法)に従って、粛々と工事を進める」とコメントした。
【写説】河川占用許可を不許可にしたことを発表する小野市長=伊東市役所