伊東版 2018年08月03日
■「工事に着手した」 市は「着工ではない、今後も監視」
伊東市八幡野地区に大規模太陽光発電施設(メガソーラー)の建設を計画する東京の事業者が2日、計画地入り口に宅地造成工事と林地開発の許可標識(工事看板)などを設置した。林地開発許可標識に記した工期は2018年8月2日~20年3月31日で、事業者側は「工事に着手した」との認識だという。これに対し同市は「着工ではない」との見方を示した。
許可標識などは計画地入り口横の事業者の所有地に設置された。事業者は8時半ごろから準備を進め、9時半すぎに許可標識2枚と建設業許可票、労災保険関係成立票を掲示した。事業者によると、この日は所有地内に現地事務所を整備するための造成工事や安全柵設置工事などを実施した。今後、本格的な測量に向けて計画地内で樹木伐採などを行う予定だという。
許可標識設置を前に市都市計画課の職員が現地を訪れ、事業者に作業内容などを確認した。同課は、計画が市のメガソーラー規制条例の対象になるとして事業者に注意を促したという。これに対し事業者は、条例施行前に着手しており規制の対象にはならないとの考えを示した。
作業を監視した計画に反対する住民団体のメンバーは「住民の理解を得ることなく計画を進める姿勢は許せない」と憤りをあらわにした。3日に、現地で抗議活動を行うことを計画しているという。
小野達也市長は取材に対し「宅地造成等規制法に基づく指導を行う状況ではない。混乱を避けるために職員を現地に派遣した。今後も監視を続けていく」と述べた。
【写説】造成工事や林地開発の許可などに関する看板を設置する工事関係者=八幡野