伊東版 2018年03月30日
■大川浄水場内 建設の地域発電推進機構―20年後、市に寄贈
伊東市は29日、同市鎌田の大川浄水場内で、地域発電推進機構(伊東市岡、杉原良孝代表)が建設を進めてきた小水力発電所の見学会を開いた。松川湖(奥野ダム)との標高差約100メートルの水流を利用した発電施設。小野達也市長をはじめ市幹部、市議会関係者ら約30人が、同機構担当者から説明を受けた。4月1日に稼働する。売電を目的とした小水力発電所は市内で初めて。
同機構は2014年12月、奥野ダムから浄水場までの導水管の水圧を利用した再生可能エネルギーを発電に活用しようと、市へ「小水力発電導入プロジェクトの提案書」を提出したのをきっかけに建設準備を進めてきた。
発電所の使用水量は毎秒0・229~0・283立方メートル、発電出力は153~179キロワットで、一般家庭345世帯の年間電力消費量に匹敵する年間発電量を見込んでいる。売電料は同機構に入り、市には施設を使用する土地の賃料などが入る。発電による水道用水供給や河川環境への影響はないという。20年間の全量売電を終えた後、同機構は発電所を無償で市へ寄贈するという。
同機構の丸山勝彦業務執行理事は「(小水力発電所は)地域に埋もれているエネルギー源を発掘し、税金を使わずに民間活力で創意工夫し、地域の自立的な発展に役立つ試み。将来的には浄水場の電源確保と減収対策に役立つことを願っている」とあいさつ。小野市長は「自然のサイクルを大事にした小水力発電は、伊東にとって必ず役に立つと信じている」などと述べた。
【写説】小水力発電所を見学する小野市長(右)ら=伊東市鎌田の大川浄水場