伊東版 2018年03月29日
■利便性向上へ 「またぎ利用可能にして」
伊東市と熱海市は28日、JR熱海駅とJR函南・三島駅以西の交通系ICカードの「またぎ利用」が可能となるよう、国土交通省、JR東日本、自民党本部に要望した。伊東市の小野達也市長、井戸清司議長、熱海市の斉藤栄市長、川口健議長らが出向き、要望書を手渡した。勝俣孝明衆院議員が同行した。
国交省では、牧野京夫副大臣(本県選出参院議員)が要望書を受け取った。牧野副大臣は「システムのキャパシティー(容量)と膨大な費用がかかる」と問題点を指摘し、「将来的には可能になるかもしれないが、まずは拠点駅に自動精算機を置いてもらったらどうか」と述べた。小野市長と斉藤市長は伊豆が観光地であることを強調した上で、「全国ワンストップサービスにしてほしい」(小野市長)、「2020年までに解決に近づくようにしたい」(斉藤市長)と思いを語った。
要望書では、熱海駅をまたぐ利用は通勤、通学、買い物、観光など多岐にわたり、20年の東京五輪・パラリンピックを見据え、一層の利便性向上が交流人口の拡大にも寄与する、としている。伊東線と接続する伊豆急線へのJR東海エリアからICカードを利用し、乗り越した利用者は2017年で3千人が確認されているという。
熱海駅はJR東日本とJR東海の境界で、伊豆半島の玄関口となる駅。伊東線を含む熱海駅以東はJR東日本、函南・三島駅方面はJR東海の管轄に分かれ、交通系ICカードもJR東日本は「スイカ」、JR東海は「トイカ」と異なる。熱海駅と函南・三島方面との「またぎ利用」は到着駅係員による決済手続きが必要で、不便が生じている。
【写説】牧野副大臣(手前)に交通系ICカードの「またぎ利用」を要望する小野市長(右)、斉藤市長(右から2人目)ら=東京都千代田区の国土交通省