伊東版 2018年12月01日
伊東市八幡野の大規模太陽光発電施設(メガソーラー)建設を巡り、事業計画に反対する住民でつくる原告団(佐藤みつ子代表、42人)は30日、市が認めた事業者への宅地造成等規制法(宅造法)に基づく事業許可の取り消しを求め、市を相手取った行政訴訟を静岡地裁に起こした。
提訴したのは、事業用地内を流れる八幡野川流域や造成地の麓に住む市民ら。訴状によると、原告団は市が7月9日、宅造法に基づく事業許可を下ろした申請書類の中で、調整池から同川への放流量が許可基準を満たしていないことを指摘。計画では、全事業用地の雨水全てを小規模の同川に放流することになっていて、計画している調整池では同川への放流量が基準を超え、流域への氾濫や土砂災害を防ぐための貯水機能を果たせないことなどを訴えている。
佐藤代表は「市を訴えることになったのは本当に残念。建設を止めるには、元々の宅造法上の許可の取り消しを求めて裁判に訴える以外に方法がない」などと述べた。
市の事業許可に関しては、反対する住民団体が市に取り消しを求める行政不服審査を請求したものの、「審査請求人としての資格がない」などとして7月20日付で請求を却下している。また、事業者へ森林法に基づく林地開発許可を出した県への訴訟も検討しているという。
■小野市長 「やるべきことやってきた」
小野達也市長は「訴状が届いておらず、内容を確認できないためコメントは差し控える。市はやるべきことをやってきた。法に定められたこと、条例で主張していることを粛々と進める」と述べた。
【写説】メガソーラー建設を巡り、伊東市を相手に行政訴訟を起こすため静岡地裁に入る原告団=静岡市葵区