伊東版 2017年08月18日
■住民納得せず 「回答、根拠ない」
伊東市八幡野で計画されている大規模太陽光発電所(メガソーラー)建設で、事業者の伊豆メガソーラーパーク合同会社と区など建設に反対する8団体が17日、市の呼び掛けにより市役所で意見交換会を開いた。住民が懸念する土砂流出や獣害、近隣別荘地の水源への影響など10項目に対し、事業者は対応などを説明したが住民は納得せず、平行線のまま終わった。報道陣は冒頭の撮影のみで、非公開で行われた。
事業者によると、7月12日に小野達也市長に手渡した10項目の懸念内容への回答の説明に加え、砂防ダムのしゅんせつ・設置、地域貢献、憩いの広場の設置などを新たに示したという。一方、反対する住民団体は終了後に記者会見し、10項目への回答は何の根拠もない、調査もずさんで内容もつじつまが合わない−など、不信感をあらわにした。また、事業者を入れた意見交換会の前に、反対する団体による研究会の開催を強く求めた。出席していた小野市長も「信頼を得られる状態にない。説明には納得できていない」と話した。
今回の意見交換会は、懸念する10項目への具体的対応を事業者が直接住民に説明し、意見交換する場と位置付けられていた。小野市長は6月28日、事業者に計画の白紙撤回を求め、住民らの10項目の懸念内容を手渡した。事業者は計画の白紙撤回は困難と伝え、10項目については回答書を提出した。しかし、小野市長は回答に具体性がなく、住民の不安はぬぐい去れないとして、住民と事業者が意見交換する場を設定する考えを示していた。
■中止を求める会 20日、情報交換会
伊東市の伊東メガソーラー建設の中止を求める会(関川永子代表)は20日午後2時から、生涯学習センター池会館で情報交換会を開く。メガソーラー建設の概要説明、状況報告を行う。
【写説】八幡野地区へのメガソーラー建設について市主導で開催された事業者と住民の意見交換会=市役所