伊東版 2017年07月22日
■市長「市主導で市民と協議の場」
伊東市八幡野の大規模太陽光発電所(メガソーラー)建設計画で、事業者の伊豆メガソーラーパーク合同会社の朴聖龍(パク・ソンヨン)代表らが21日、市役所を訪れ、計画の白紙撤回を求める小野達也市長に「白紙撤回は困難」と回答し、事業を推進する考えを示した。小野市長は「遺憾であり、残念。住民が懸念する10項目の回答も具体的とは言えず、懸念、不安を払しょくできない」とし、「市の主導で市民と事業者が協議する場を設け、市も参加して議論を進めていきたい」と話した。
朴代表は3年の期間を要し、多額の費用を投じていることに加え、住民が懸念する10項目も「プロジェクトチームを立ち上げ、中間報告として回答した。十分な対策を約束し、懸念を払しょくできる」と主張し、事業を行う姿勢を崩さなかった。一方、小野市長は事業を「地域に愛されるものでなければいけないのが前提」とし、10項目の回答についても「細かい数値やスケジュールなど具体性に欠ける。まだまだ協議が必要」と述べた。
同建設計画を巡っては、小野市長が6月28日に計画の白紙撤回を求めるとともに、住民らが懸念する土砂崩壊・流出による河川や海への影響などの10項目を朴代表に手渡した。朴代表は今月12日に10項目への対応をまとめた回答書を小野市長に手渡したが、白紙撤回要求についての回答はしていなかった。
計画に対し、住民ら延べ2万5千人以上が反対の署名を行い、市議会も反対の決議をしている。
【写説】「白紙撤回は困難」と小野市長に回答する朴代表(右端)=市役所