伊東版 2017年06月29日
■事業者に小野市長 反対理由10項目示す
伊東市八幡野で大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設が計画されていることに対し、小野達也市長は28日、市役所で事業者・伊豆メガソーラーパーク合同会社の朴聖龍(パク・ソンヨン)代表らと会い、計画の「白紙撤回」を求めた。朴代表は「計画は伊東市の発展に必ず貢献できる」としながらも、小野市長の求めに「真摯(しんし)に検討する。内部で協議して後日回答する」と話した。
小野市長はまず、観光を基幹産業とする伊東市の実情を説明。反対する団体の懸念内容をまとめた、▽土砂崩壊や流出による八幡野川・八幡野漁港・海・八幡宮来宮神社への影響▽漁業、スキューバダイビングなどの観光産業への影響▽大室山など観光地としての景観への影響▽「ユネスコ世界ジオパーク」認定への影響▽動植物や土壌の微生物などの生態系への影響▽太陽光パネルによる温度上昇などの影響▽近隣別荘地の水源(地下水)への影響▽森から追われた動物などによる農作物や日常生活への影響▽工事完成後の事故・災害などの発生した場合の責任所在が不明▽売電事業終了後の施設などの維持管理の責任所在が不明−の10項目を示した。
伊豆グリーンプロジェクトチーム、伊豆高原メガソーラーパーク発電所計画から海を守る会、伊東メガソーラー建設の中止を求める会が集めた延べ2万5245人分の反対署名も見せ、「心配する声であり、まだ署名は継続している。深く理解して事業を白紙撤回してほしい」と訴えた。
【写説】建設反対の署名を朴代表(手前右)に見せる小野市長=市役所